(ゆっきー)'s profileIT企業で働くバイリンガルママの育児日記(ブログ...BlogListsGuestbookMore ![]() | Help |
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November 19 What the Dog Saw (by Malcom Gladwell)Tipping Point で有名なGladwell氏がNew Yorker という雑誌に連載していたコラムを集めた本。Tipping Point で有名なので、書き下ろしの単行本が得意なのかと思っていたら、もともとは記者だし、このNew Yorker のコラム集は秀逸で、短い記事の方が得意なのかもしれない。彼のコラムを読むためにNew Yorker を購読しようかと思ったが、Kindel では提供されておらず。 17本のコラムの中にはOutliers の元ねたになっていると思われるようなものもあったが、ほとんどは「へぇ!」と感心させられ、一見まったく関係ない事象が実は同じような原理で動いているかもしれないという説き明かす展開はまるでミステリー小説のよう。私がライターになるのなら、まさに彼のようなライターになりたいと(おこがましいが)思う。 印象に残った話をいくつか。 1) パズルとミステリーの差。パズルはピースが全部そろえば全体像がわかる。ミステリーは事実をすべて集めても真相がつけなず、事実を「分析」する力が大事。現代の問題の多くは「パズル」ではなくて「ミステリー」ということをエンロンの崩壊を例に説明。エンロンは「隠し事」がなく、常に「透明性」の高い会社であったのだが、社内外に事実を公表するだけではなだめ。 2) 味を科学する。味覚には5種類あり、ケチャップはすべての味覚を平等に刺激することで「おいしい」と思えるのに対して、からし・マスタードは5つの味覚のどれかを際立たせて特定の消費者に支持される故に、ケチャップは結局「一種類」しか売れず、マスタードは複数のヒット商品が可能。ちなみに「バランスの一番いい食品」の一つにSara Lee のパウンドケーキ(冷凍)が入るそうだ。 3) 犯罪学における「プロフィーリング」 -- たくさんの書籍が出ているが、実はプロファイリングはあんまり裏付けがないし、役にも立っていないらしい。 4) マンモグラフィーは「ミステリー」の域に入り、非常に分析が難しい。指で確認するのが一番で、マンモグラフィー検索とプロに指で検査してもらっている人と、マンモグラフィーだけを受けている人では、マンモグラフィーの優位性は見られず。とは言え、マンモグラフィーが害であるということはなく、万能ではないということを理解したうえで、受けることには意味あり。 5) 大器晩成型の人は、大人になってから何か始めたとか、発見が遅れただけだと思われることが多いが、才能には少なくとも二つの種類があり、ピカソのように小さいころから明らかに才能があるとわかる場合と、セザンのように長い時間かけて熟成する才能があるらしい。大器晩成型は「調査」や「探求」が大事だが、早熟型は最初からしたいことがはっきりしていて、絵でも執筆でも下書きなしにいきなり最終形にとりかかれるらしい。”I can hardly understand the importance given to the word “research” (Picasso). などなど。実生活でも使えそうなコンセプトや秀逸なトリピアが満載。
November 12 Mommywood (by Tori Spelling)キンドルでの読書2冊目は “Mommywood” ハリウッド女優の育児奮闘記。Tori Spelling は「ビパリーヒルズ白書」のドナ・マーチン役として知っていたものの、特に気になる存在ではなかったが、キンドル本のリストにあり、「育児」というトピックに惹かれて購入。こんな風に、キンドルじゃなかったら読まない本を読むようになったりして、キンドルは私の読書生活にかなり大きな影響を及ぼしている。キンドルじゃないと本を読めなくなっちゃいそうだ。 さて、Tori Spelling であるが、”Mommywood”の前に”sTori Telling” という本を出版しており、特に母親との確執に触れている。著名なプロデューサーを父に持ち、小さい頃からテレビ番組に出演していて、豪邸に住み、明らかに「ふつうの子ども時代」を送ってこなかったを認めたうえで、彼女なりに2度目の結婚と二人の子供の出産と育児について赤裸々に語っているのが “Mommywood” だが、やはり常識からはかけ離れた世界であり(子供の一歳の誕生日のために、何百人をも呼ぶパーティー開くとか)、セレブ・ゴシップとしては面白いのかもしれないが、「母親」という目線で話が進んでいるので、共感もできず、ゴシップとして距離を置いて楽しむこともできず。 特に鼻についたのは「生活のために働かなくてはいけない」という言い回しが何回も出てきているところ。本人は正直に言っているだけで、彼女が必要としている水準の生活のためには働かなくてはいけない」のだろうが、「そんな生活しなくてもいいんじゃないの?」と一般ピープルとしては思ってしまう。
November 06 反自殺クラブ (石田衣良 作)キンドルにほれ込んでこのままでは英語本しか読まなくなりそうという不安感(大げさ?!)に襲われ、谷川温泉旅行には日本語の、休みなので小説ということで、以前にブックオフで買った本。新品同様の単行本なのに、ブックオフ価格105円。お買い得。 石田氏は「今風」の作家だと思う。文章力もあるし、ストーリー作りもいい。でも何よりもいまどきの感覚がある気がする。読んでいるとマンガにもドラマにも映画にもなりそうで、そうなったときの絵が頭の中に浮かぶのだ。特に「反自殺クラブ」は4つの短編集からなるのだが、とりあげているテーマが新聞で報道された大事件(大学生のパーティーサークルによる犯罪、不動産詐欺、発展途上国の非人間的な労働環境、ネットの自殺サイト)を彷彿させるものばかりで、なおさら「今風」感が漂う。 4つの短編はどれも池袋を舞台に展開し、果物屋にせがれ「マコト」が主人公。マコトは果物屋の店番をしながら、生業をライターとし、池袋の表と裏の世界に精通する「トラブルシューター」で、「今時」のヒーロー。このヒーローぶりがちょっとうますぎるのも「映画」や「マンガ」を連想させるゆえん。 別世界には連れていってくれないので、休暇よりは平日の通勤電車で読む方がよかったかも、と感想を書きながらいまさら思う(笑)。
November 02 Outlier (by Malcom Gladwell)Tipping Pointで知られるグラッドウェル氏の最新作。キンドルで読んだ記念すべき1冊目(笑)。翻訳版は勝間和代さんが手がけていることを後から知り、翻訳の質に関して賛否両論のようなので、こちらにも少し興味を覚えた。 グラッドウェルの本は毎度楽しい。これまで知られてきた事実やデータを彼なりにテーマにまとめてストーリーを織りなすのは、いかにもマーケテイングっぽくて私好みだ。今回のこの本は彼がアメリカ以外の、特にアジア(韓国と中国)の文化がいかに現代社会にといて成功するかにおいて影響するかを取り上げているかが印象的だった。 例えば、大韓航空が昔どうしてたくさん墜落事故があったのかという解説は「目からうろこ」だった。上下関係や礼儀を重んじるアジア圏のパイロットと単刀直入に用件を切り出すアメリカの管制塔のやりとりなどは著者も “heartbreaking” と表現していた。文化人類学を専攻し、常に異文化間でのコミュニケーションを仕事の生業としてきた自分としては大きく共感した話だった。こうした文化の違いを受け止めて、新しいトレーニングプログラムを導入することで、Korean Air は一流航空会社としての安全性を取り戻したそうだ。 本の大きなメッセージは「成功者」というのは持って生まれた個人の才能だけが取り上げられがちだが、本人の努力(多くのプロは楽器演奏であれ、弁護であれ、ソフトウェアのプログラミングであれ、その活動に1万時間費やしているという法則)とその時代の文化的な環境が大きいということである。実際に大成できなかったIQが190の人がどうして大成できなかったかという考察もあり、こちらもある意味 “Heartbreaking” だった。 時代や文化による「制約」や「幸運」についてはある程度みんな気づいているのではないかと思う。ホッケーのプロ選手は圧倒的に1月から3月の間に生まれているのは、毎年の選抜基準の年齢を1月1日から12月31日をひとつのグループとみるからだ、という話のように、日本では学年度が始まる4月に生まれた子が3月生まれの子と比べると一年近く月齢が上であるから、勉強でもスポーツでも有利なのではないかという話はママ友の間ではよくされる。教育ママ(死語?)なら、4-6月に出産するようプランニングするのがいいのか(私は保育園に入園が有利になるようにそうしたが)。 また、1万時間の法則で個人的に思い当たるのは言語習得である。私は人生で長期間英語圏で生活したおかげで、ほぼネイティブ同様の英語力となった。1度目はイギリスに3歳から7歳の4年半。家族と一緒だったので、家では日本語の生活だったが、現地の幼稚園と小学校に通った。週末は家にいたことを考慮して、1日平均6時間英語でコミュニケーションしていたとすると 6時間 x 365日 x 4.5年 = 9855時間とほぼ1万時間となる。 下手するとこの本でのデータや分析から「日本で学校の成績をあげたいのなら4月から6月の間に子供を産みなさい」というメッセージが導き出されかねない内容なのだが、こうした制約や法則を理解して上でどう利用するかという著者の観点はあくまでも大韓航空の連続墜落事故のような「問題」に対しての「解決策」を編み出すうえでの話である。 (翻訳版)
(原著)
October 27 Perfect Match (by Jodi Picoult)日本でも公開中の「わたしの中のあなた」の原作者ジョディ・ピコーの本を読むのはこれで4冊目。今回も家族がテーマなのだが、相変わらず「息子の性的虐待」という難しいもの。しかしながら、この本ではちょっとテイストが違い、CSIなみに科学捜査が大きな意味を持つストーリー展開となっている。推理小説が好きなので、話自体はおもしろかったが、性的虐待を受けた子供を持った場合の親がどう対応していくかというストーリーとあまりにもかけ離れていて、結果的にはまるでひとつは深い難しいテーマの、もうひとつは娯楽性の高い推理小説という二つの本を読んでいるような感じで、かなりちぐはぐな印象。 とは言え、ピコー氏特有のキャラクターや状況設定のうまさは健在。主人公ニーナは検事であり、5歳児の母親であり、職人の妻であり、警察官の男の親友を持つ。ニーナの担当分野は性的虐待であり、彼女の視点を通じて、子供の性的虐待への社会的な対応方法というのがほとんどないことを痛感させられる。子供の性的虐待は身近な人によるものが多く、本の中でニーナは被害者の母親に言う。”You didn’t hear this from me, but I would take you child and run.” 物理的に逃げる以外に方法がないというのだ。 「心神喪失」を証明できると殺人ではなく「過失致死罪」に減刑されるというのは日本もアメリカも同じだが、メイン州で極限的な「怒り」の状態にあってもやはり減刑が適用されるという法律があり、これもまた物語の中で非常に大きな意味を持つ。自己防衛に近いという考えなのだろうか。法曹界でさんざん議論されているに違いない。 p.s. ジョディ・ピコーの本はたくさん買いだめしてあるので、当分キンドルでは読めない。
October 20 Developing the Leader Within You (John C. Maxwell)仲良し同僚Mさんに「これもなかなかよかったよ」と貸してもらった本。リーダーシップの本や研修は何度となく消化してきているが、ポジションが変わったときや節目に来たときなどに経験したり手にしたりするといいのかもしれないと思った。正直、画期的なリーダーシップの定義や方法論というのを期待はできないと思っているが、そうしたことを考える時間を取るというのは必要だと感じる。 自分のために、人のために、会社のために、お客さんのために、この4本の軸がずれていると不協和音が発生し、生産性が落ちる。最近はこの軸のずれをいかに減らしていくのが自分の仕事なんだということを感じている。心に秘めているだけではだめで、できるだけ言葉にして紙に落とすことが大事なのだが、意識しないと目の前の仕事に没頭して後回しにしがち。 Developing the Leader Within You では自分の意識がどこに向かっているのかを再確認させてくれる問いが最初の章にたくさんあった。本来ならば時間かけてすべてを回答してみるといいのだろうが、今回は基本的なものだけを拾った。最後の方の章で Discipline の作り方について書いてあり、かなり響いた。私は習慣的にものごとをすることがとても苦手なので、毎日1つのことを5分意識をし、振り返ることを60日続けようとあったのはすぐに実践に移そうと思った。まずは机の上をきれいにすることから始めてみる(次は家だ)。
October 12 新しい成功のかたち 楽天物語こういう本があるだろうな、と思っていた。楽天に出店してビジネスを大きく伸ばした人のサクセス・ストーリーが9話。成功や幸せにはいろいろな形があるというのが著者のメッセージであるが、私の印象に残ったのは楽天のECコンサルタントの凄さ(こちらが楽天のマーケティングとしてのゴールだろうが)と、「商人には商人の血」ということだった。9人の店長や社長の話が繰り広げられるのだが、過半数が母親や家業から事業を継いでいる人の話だった。 私のブログにたまに登場するいとこのK子も両親が築地の河岸にお店を商っていた家庭で育ち、一度はOLになり、寿退職をしたのだが、その後離婚をし、共同経営者としてのパートナーと結婚した一方、私はサラリーマン家庭で育ち、サラリーマンになり、サラリーマンと結婚した。両親の生き方と同じ生き方を子供が選ぶとは限らないが、その世界を一番身近に見て育てば影響があるのは間違いない。 どんな人生にもドラマがあるが、事業を興す人、事業を経営している人の話はさらにドラマチックなことが多いように思う。これもまたドラマチックな出来事があった人がすべて事業を始めたりするわけでは当然ないが、多少影響があるのだろうと想像する。楽天物語にはそんな人間ドラマが9話。
October 06 Nineteen Minutes (by Jodi Picoult)What a read! ジョディ・ピコーは青春期のぐしゃぐしゃを上手に書ける作家である。彼女の作品はこれで3作目なのであるが、毎度のことながら重いテーマで、暴力的なエピソードが物語の展開でどかんと置かれている。今回はまた舞台はアメリカだが、幼稚園の時からいじめにあっていた高校生の男の子がある日突然学校で乱射し、10人殺してしまうという事件をモチーフに、殺してしまった男の子とその母親、犠牲者になりそうだったけど生き残った女の子とその母親の二組の母子が中心人物で、親子の関係や高校生として生きることの難しさなどがぎっしりつまっている。 いじめというのはとかく日本特有の現象のように報道されたりしているように感じることがあるが、この本を読めば若干形は違うかもしれないけど(もっと直接的・暴力的)、アメリカでもたくさんいじめが存在しているだろうということが想像できる。アメリカの学校での乱射事件は日本でも十分報道されたので、こちらも現実味をたっぷり帯びている。 自分の子供が殺人犯になってしまったら、あるいは殺されてhしまったら、という会話は夫婦でも子供を持つ親同士でたまにする。いつも考えているわけでは当然ではないが、何度かは多くの親の頭をよぎる話のようだ。この本は600ページ以上の長さがあるのだが、「最悪の結末」を迎えた母親たちとその子供たちの話であるがゆえに、重く、推理小説のように寝食を削って一気読みができず、2週間以上かけて読み終えた。 たくさんのボタンの掛け間違いが悲劇を呼び、その悲劇を防ぐ方法は明示されていないので、考えさせられる小説である。和訳はまだ出ていない模様。
September 27 Groundswell (by Charlene Li and Josh Bernoff)ad tech の基調講演にJosh Bernoff が来日したくらいだから、ad tech 関係者で話題になっていた本だったが、私は読まなくてもいいかな、となぜか敬遠していたのだが、同僚Mさんに「読んでみる?」と貸してもらえたので読んだ本。そして敬遠していたことを反省した。とてもよく書けているのである。 ソーシャルメディアについて書かれているのではなく、マーケッターがあるいは企業が顧客と向きうにはどうしたらいいかということを考え、その上でテクノロジーを選ぶということが前提で書かれていて、将来的にテクノロジーが進化してブログやSNSというものが過去のものになっても役立てるようなフレームワークを意識して執筆されているのだ。 ホームページでは各国の消費者の「ソーシャル度」を教えてくれるプロフィール・ツールなどもあり、興味深い。日本は残念ながら年齢別のデータまではないが、男女別は表示できるようになっている。欧米と比較すると日本は「クリエイター」と言われるブログを書いたり、自ら作成したビデオや音楽をウェブに掲載する人が多い。これはグローバル企業に勤務している私の実感でもある。各国のマーケッターと話していて、日本は世界平均の倍くらいの割合のブロガーがいると何年も前から思ってきた。 本ではこうしhた消費者の特徴をうまくつかみ、コミュニティを形成したり、公式ブログを開始したり、社内SNSをたちあげて成功した事例が満載であり、丁寧に取材した感じがする。取材された相手の人物像がよくわかるのである。そして、結局は「次世代マーケティングプラットフォーム」について書かれているほかの書籍と同様、企業が顧客と距離をおかずにいかに対峙できるか勝負の時であると説いている。
September 20 ウェブはバカと暇人のもの (中川 淳一郎 著)会社の同僚が化してくれた本。ウェブ2.0 と対比して書かれている。梅田望夫氏著作のウェブ2.0 が「頭のいい人」あるいは「性善説」に基づいてインターネットの普及によって、みんなが投稿して「あちら側」にデータが集まることによって、サービスやビジネスが進化することを説いているのに対して、中川氏は自身のニュースサイト運用経験からいかにウェブの普及によって、「しょうもない」「くだらない」やりとりに苦労することが増えているかなどを例にあげ、「ウェブ」に過度の期待は禁物と警告している。 ウェブへの過度の期待をせずに、「電話」くらいに「当たり前のコミュニケーションの手段としてとらえるべき、しかもやっぱりテレビとは比べ物にならない、という点では共感できる部分があるが、電話の出現のよって仕事の仕方が変わったように、ウェブの普及によって企業ではいろいろ変化が起きようとしている、あるいは起きなくてはいけないという点に「ウェブはバカと暇人のもの」は触れていない。 ニュース記事にいちいちクレームをつけてくる「バカ」や「暇人」がいるからと言ってウェブ展開なしではたして今ビジネスが成り立つかというとメディアとしてはまず難しいのは昨今の広告費総額の内訳をみれば明白だ。ウェブ以外の媒体は軒並み負の成長率。要は暇人やバカではない本当に対峙したい相手と向き合えるかを考えないといけないのである、こちらの本には[バカ」や「暇人」に翻弄されてしまわないように警告はたくさんあるが、翻弄を回避し、対峙したい相手との向き合い方については議論されていない。
September 11 グーグル・アマゾン化する社会 (森 健著)「ロングテール」という言葉がネット業界では当たり前になって数年。この本は、「ロングテール」のニーズをくみ取ってサービス開発をしたことにおって大勝しているプレイヤーも結局はグーグルやアマゾンと言った勝ち組が出てきたように、結局は業界は寡占的な構造に収束するだろうという述べている。 一部では、アマゾンだって結局はメジャー製品(ヘッド)の売上が大半だという噂も流れたりして、アマゾンが本当にロングテールのプレイヤーとして言われていいのかという話すら出てしまうくらいだが、これはちょっと違うだろう。世界で最大の書店といわれているアマゾンだからこそ、メジャー製品の売り上げも押し上げられているのであって、メジャー製品さえそろえておけばアマゾン級の売上があがるわけではない。 しかしながら、同様な業界にいるので身をもって感じるのだが、ロングテールを含めた消費者のニーズにこたえるためには、多大な投資・コストが必要であり、著者が言うようにほんのわずかな数の(体力=資金力のある)企業だけが残っていくのはというは非常に説得力がある。誰でもがネットで簡単にビジネスを始められると思われている半面、勝ち残るのはむしろハードルはあがっているのかもしれない。
September 04 ビタミンF (重松 清 作)2000年直木賞受賞の本。Book Off で見かけて購入。読んでみた感想は、「こんなジャンルの本もあるんだ!」と新発見。36-40歳の男性が主人公の短編集。みんな結婚して、子供がいて、大体サラリーマンとして勤めているけど、「このままでいいのか」と前々から、あるいはふとしたことがきっかけで思い始めたり、子供が事件を起こしたり、割と「典型的」な都会の家庭人生活を描いている。 いじめにあっている子供が架空の友達について延々で家で話すエピソードなどは「自分の家でこういうことがあったらどうしよう」という思いで胸が痛くなったり、同年代の子供(幼児から大学生?)がいる人にはちょっとぐっときちゃうエピソード集だった。女性が主人公のこうした話し(今の生活の中途半端さを描く)はよくあるのだが、男性が主人公でも同じサラリーマンという立場のせいか違和感なく読めた(ただし、奥さんはほぼ全員専業主婦だったような・・・) あとがきにタイトルの由来があった。Fで始まるいろいろな単語 Family, Friends, Father, Fightなどが一つひとつの短編のテーマになっているらしいのと、読んだ後、ビタミンを摂取したように元気になれるように、という作者の思いがこもっているそうだ。ちなみにビタミンFというのはリアルには存在しない。
August 28 Leaving Microsoft to Change the World (by John Wood)ほフローレンス駒崎氏の本「社会を変えるを仕事にする」と同じジャンル、NPO経営者の本。ジョン・ウッド氏はマイクロソフトアジアで仕事をして、ある程度の富を築いたが、ヒマラヤでの休暇をきっかけに、ネパールやカンボジアなど各国に学校や図書館をたちあげるNPOを設立し、大成長させている。 同じような環境に身を置いているので、まだマイクロソフトで働いているころの話もめちゃくちゃ面白く(特に一生懸命準備していたのに、取材に社長がやる気なく臨んだ話など)、またマイクロソフトを辞めるまでの話もかなりオープンに描かれており、どんどん進んだ。 Room to Read は図書館や学校を個人や法人の寄付者の名前がつけられ、また寄付額と同等の地元の出資を必要とするというモデルで7000以上の図書館を設立してきている。ホームページを見る限り、日本語版もあるし、日本でも募金活動の拠点を持とうとしているようだ。「来年本を送ってね」と個人的な約束が世界規模の活動に発展するという素晴らしい話は最高のサクセスストーリーだ。翻訳版あり。 ホームページ: Room to Read (日本語)
August 22 佐賀のがばいばあちゃん 「かあちゃんに会いたい」(島田 洋七 著)「がばいばあちゃん」はドラマにも漫画にも映画にもなった大ヒット作品。でも読んだことがなかったので、先日ブック・オフにふらって入った際に目についたので購入。オリジナルの「がばいばあちゃん」本を買ったつもりだったのだが、何作目かの「かあちゃんに会いたい」で、おばあちゃんではなくて、「おかあちゃん」の話が中心。 でも原爆投下前後の広島で居酒屋経営したり、中華料理店のスタッフ長としてきりもりして、女手ひとつで男の子2人を育てたというだけで、十分ドラマチックなストーリー。小さいときから歌と踊りを習い、その芸がのちに中華料理店で「宴会パック」というヒット商品を生むもとになっているという話などは秀逸。引退してから旅行に行って、宿泊先の旅館で芸者のピンチヒッターをしてそのまま一カ月滞在してしまったという話も驚きだ。 島田洋七さんは1950年生まれで私からすると親の世代に近いのだが、戦後成長期という時代の影響が大きく、そうした親と島田さんの価値観は似通ったものになっているのか、違和感なく楽しく読めた一冊。
July 01 Playing for Pizza (by John Grisham)ジョン・グリシャムが法律とは別世界を舞台にした初めての小説。だめアメフト選手がイタリアのアメフトリーグに行って自分を探す話。イタリアには実際にアメフトリーグはあるそうだ。取材をしたトスカーナ地方の小さい町が舞台になっていて、特に食べ物の描写はリアリティがあった。 私の周りにはアメフトをやっていた人が結構いる。だんなも大学時代はアメフト部のキャプテンだったし、会社にもアメフトをやっていた人が何人かいる。もちろん私もアメリカ留学時代にカレッジ・フットボール観戦くらいはしたし、バイトでアメフト選手たちの家庭教師などもしたので、親近感を覚えるスポーツのはずなのだが、どうしてもルールがわからない。何度聞いてもだんながどのポジションだったかさえ覚えられない。 私のアメフト・リテラシーが極端に低いので、延々と本の中でアメフトの戦術の話やゲームの進行が語られていてもさっぱり興味を覚えられず、そこで本の魅力半減。さらに、ストーリー展開の中でロマンスが要素が登場するのだが、かなりチープ。グリシャム氏はロマンスは避けた方がいい。 イタリアとアメフトが両方好着な人(どのくらいいるんだろう・・・)のための本:
June 25 ワークライフ”アンバランス”の仕事力 (田島 弓子 著)これまたお仕事で少し縁のあった方の著書。ワークライフバランスが積極的に謳われる中、あえて、「はまるほどどっぷり仕事をしてみること」を推奨している本。私の年代以上の人はみんな共感できる内容だが、この本も若者に向けて書かれているのだとは思う。 子供が生まれる前は私も20代は徹夜がしょっちゅうだったし、週末は必ず一日は出勤していた。つい調子に乗って資料を作っていたり、外資特有の事情で夜中になるとアメリカやヨーロッパの同僚たちとリアルタイムでコミュニケーションができるのでメール・メッセンジャー・電話を駆使して情報交換や交渉をしたりして、夜明けを迎えてしまったことは数えきれない。週末ほとんど人のいないオフィスでまとまった時間(平日はミーティングがあって割とまとまった一人の時間が取れない)デスクに向かうのはむしろ快感だった。 田島氏が書いているように、仕事も「アンバランス」だったが、遊びもアンバランスだった。夜通し飲むこともよくあったし、夏季・冬季休暇はがっちりとって旅行。アンバランスとアンバランスが組み合わさるとバランスになるのかもしれない。今は子供がいるのもあって、かなり生活リズムが変わっているが、仕事も遊びももっともっとやりたい。これは田島氏いうところの「はまる」楽しさを知っているかもしれない。 石の上にも三年・・・私なりの解釈は「ひとつのことをがむしゃらにやってみて初めてわかることがある」。田島氏も同感してくれるだろう。
June 19 女の産みどき (大内 悦子 著)チームメンバーから勧められた本。若干想定読者が若いのだと思うが、要するに十分に遊んだり、仕事をしたりしているかどうかや、パートナーの育児能力などを見極めたうえで、子供を産む時期、もしくはそもそも産むかどうかを決めるべきだ、と著者。 たくさん恋愛したり、仕事である程度の実績を出しているとなると自然と年齢があがっていくので、高齢出産肯定にもなっているようにも思うが、私を含め、友人・知人の高齢出産は計算したうえでの出産ではなくて、どちらかというと、「気づいたら30代後半になっていた」とか「なかなか妊娠できなくて・・・」という事情で、「結果的に」遊びも仕事も十分にしてきた人が多いように思う。本著はどちらかというと30歳前後の「そろそろ結婚・出産」かなーと迷っている女性向きなのかもしれない。 とは言え、後半の育児実態やとある男性の育児休暇日記などはリアリティがたっぷりで、育児経験者ならだれでも大きく共感できるだろう。
June 11 おもてなしの経営学(中島 聡 著)user experience (UX) という表現がIT業界ではよく使われる。user interface (UI) と似て非なるもので、製品を利用する場合の見た目とか操作画面がUIであるのに対して、UXはその製品を利用する総括的なユーザーの体験というか体感というかその製品を利用した結果ユーザーが持ち帰るもの全部を指す(と私は思っている)。中島氏がこの本の冒頭で言っているとおり、なかなか適切な和訳がなく、私などは「ユーザー体験」とまっすぐに訳して仕事上使っている。 中島氏はこの訳をご自身のブログ “Life is Beautiful” にて募集したところ、「おもてなし」という言葉が気に入ったということで、本著のタイトルにも使われている。よって、本著は user experience の経営学なのである。帯にもあるとおり、「熱烈ファン」を生むような製品を開発する組織・企業とはどういうものななかというのがテーマであり、アップルやグーグル、任天堂などが例に出てくる。 中島氏ご自身はマイクロソフト(日本法人・本社)出身であり、Windows や Internet Explorer の開発秘話もたくさん出てきてIT業界に所属する私には共感・感心したり、気持ちが動かされることが多く、また楽しく読めた。大手のIT企業とベンチャーのIT企業では事業も開発スタイルもまったく違うということも改めて振替させられたし、どちらも開発するにあたっては明確で簡潔な開発ゴールの設定というのが大事というのは今の自分の環境には耳が痛い話でもあった。 後半は、古川亨氏、ひろゆき氏、梅田望夫氏と、これまたIT業界の有名人3人それぞれとの対談を掲載。ちょっぴり自己肯定が強い気もしたが、これまた読みやすく、楽しい話がたくさん。
June 04 エシュロン (産経新聞特別取材班)こちらも仕事で縁のある方が執筆されたということで購入して読んでみた。恥ずかしながら「エシュロン」なるものは名前すら読むまでは知らなかった。911事件以来、アメリカでは盗聴活動をしていることが周知の事実となったが、「エシュロン」はまさにそうしたアメリカの通信傍受システムの総称であるが、アメリカ政府自身はエシュロンの存在については明確は言及をしていない。ただ、公開になっている記録などで「エシュロン」なるコードネームが記載されているものはあるとのことで、ほぼ存在については間違いがないというのが一般的な見解。 一般的ではないのが、傍受システムの適用範囲と目的である。本書では、エシュロンは衛星経由の国際電話通信が主な傍受対象であり、一部で言われている全ての電子メールや固定電話通信の傍受ではないらしいと適用範囲が割と限定されていることw指摘しながらも、利用目的に関しては軍事だけではなく、商用もあるのではないかと示唆している。 日本も産業スパイ行動をしたという事件が過去にもあるので、各国いろいろな思惑があるのだろうが、軍事的に先進的な立場にあるアメリカがそのパワーを商用利用するとなると他国が不利になるという図式をどうにか国際法などで縛ってもなかなか難しいのではないかと想像する。EUなどは自分たちで投資を重ね傍受と暗号化のシステムを構築することを最優先するべきと言っているが、自社技術を磨くことがディフェンスにもなり、オフェンスにもなるのだろう。 通信傍受に関しては当然プライバシー侵害の問題も取り上げられるが、個人的にはプライバシーという概念が独り歩きしてしまっているという印象がある。人に知られると恥ずかしいと思われることはあるかもしれないが、恥ずかしいと思われることの基準も時代や文化によって違うように、プライバシーの概念も時代や文化でだいぶ違う。 先日も重いアレルギーを持っている次女に関して保育士と話をしてたが、二女のアレルギーについては個人情報なので、親の許諾なしにはむやめに共有できないようなことを言われた。アレルギーに関しては誤りがあるのが怖いので、私としては彼女のアレルギーについては広く知っていてほしいのだが、これまた時代なのだ。
May 29 Fooled by Randomness (by Nassim Nicholas Taleb)
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